容疑者X

[感想]容疑者Xの献身
ネタバレしてます。


久しぶりの更新。非常にいいものに出会ったので感想を。読む前にあらかた感想を読みまわっていたので、トリックに関するネタバレはしていた。でもこの本の本質はそこではないと思う。これは「恋愛小説」だ。石神と靖子の恋愛が本質であると僕は思っている。確かにミステリの体裁はとっているがコレも作中で石神が言っていた思い込みによる盲点をついているのではないだろうか?特にラストの石神の慟哭はもちろん靖子が自首してしまい、自分の計画が破綻したことによるものがあると思うが、自分の手の届かない存在に認められた、自分の愛に気付いた事に対する慟哭であるように感じられてならない。
まぁそう考えると最近CMでやってる映画の宣伝の主眼が愛に向いてるのも頷ける。

それにしても「恋愛」って言葉を出した途端にチープな感じがしてならない。いや、作品に対してではなく自分の感想に。
ラストを読んだときの第一印象は「よかったね。」だった。後ろにいた湯川がそういう気持ちで石神の肩に手を置いた、と思ったんだけどな。